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「RA協議会第11回年次大会」で口頭・ポスター発表を行いました!

2025年10月に開催されたRA協議会※1第11回年次大会で、大阪大学経営企画オフィスが取り組む9件のトピックについて、口頭またはポスター発表を行いました。
大学や研究機関など様々な機関の研究開発マネジメント人材や、研究・経営に携わる関係者のみならず、府省関係者からも数多くの質問をうけるなど、大きな反響がありました。

◆発表演題◆

(1)社会課題と基礎研究をつなぐNaedoko-platform構想:異分野融合研究創出促進の仕組みづくり
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【概要】

大阪大学経営企画オフィスでは、社会課題と基礎研究をつなぐ「知識媒介機能」を研究開発マネジメント人材(URA×IR職)が担い、若手研究者による異分野融合研究の創出を促進する新たな取り組みとして、“Naedoko-platform”を運用している。
本発表では、Naedoko-platformのコンセプトと研究開発マネジメント人材(URA×IR職)の新たな役割について提案し、今後の展望について議論した。

   

【関連する取組み】
naedoko-platform
経営企画DXシステム“ReCo®”


(2)経営企画DXシステム”ReCo®” による大学経営の意思決定支援

   

【概要】

⼤学経営におけるIRデータ分析では、「せっかくまとめても執⾏部に活⽤されない」という事例が少なくない。本報告では、このような「活⽤されない分析」と、意思決定に資する「活⽤される分析」との本質的な差異に着⽬し、⼤阪⼤学経営企画オフィスが独⾃開発した経営企画DXシステム“ReCo®”を事例として考察した。

   

【関連する取組み】
経営企画DXシステム“ReCo®”


(3)ReCo-foresight2.0:研究分野の立ち上がりを表す微弱信号の可視化手法の開発

   

【概要】

研究分野の立ち上がりの兆しを表す微弱信号(weak signal)の早期検出は、確度の高い研究力強化立案や効果的なプロジェクト創成において極めて重要である。経営企画オフィスは、本信号を効果的に検出できるアルゴリズム"ReCo-foresight"を開発した。
本大会では、この新たな手法を適用して解析した薬学関連分野における特徴語の分析結果と、薬学分野の専門家との議論による妥当性検証の成果について報告した。

   

【関連する取組み】
経営企画DXシステム“ReCo®”


(4)IR活動を通じた研究開発マネジメント人材の育成

   

【概要】

経営企画オフィスは、経営力・研究力を統合的に分析・可視化する経営企画DXシステム“ReCo®”を開発し、データ駆動型の大学運営を支えてきた。この取組をさらに深化させるには、高度な分析スキルを備えた研究開発マネジメント人材の裾野拡大が急務である。本発表では、大阪大学におけるIR活動を通じた研究開発マネジメント人材の育成について取組と成果を報告し、その手法について議論した。


(5)研究者の機関間異動が大学の研究力に与える影響~卓越研究者の異動がもたらす波及効果~

   

【概要】

大阪大学と岡山大学は、IR業務の質向上を目的に連携し、共通テーマ「人材の流動性による機関研究力への影響」について検討を進めている。大阪大学では、人材流動を通じた研究力強化と人事戦略支援を目的とし、複数機関・分野での研究経験が新分野創出や異分野融合を促すとの仮説のもと、研究者の所属履歴と研究分野を分析した。本発表では、具体的な研究者の異動事例を踏まえ、その効果について議論した。


(6)研究者の機関間異動が大学の研究力に与える影響~科研費や論文からみる研究力の収支~

   

【概要】

大阪大学と岡山大学は、IR業務の質向上を目的に連携し、共通テーマ「人材の流動性による機関研究力への影響」について検討を進めている。岡山大学では、科研費獲得額や論文数を用いて転入・既存・転出研究者の研究力を分析し、その差を「研究力の収支」として可視化した。本発表では、この「研究力の収支」という新たな研究力指標を通じ、研究支援や研究環境の改善に資するエビデンスの提供について議論した。


(7)大阪大学“はばたく次世代”研究者育成3職協働プログラムの取り組みと今後の展開

   

【概要】

大阪大学では若手研究者の基礎研究・研究分野越境を後押しする施策を様々実施しており、令和6年度からは第一三共株式会社の「はばたく次世代」応援寄付プログラムの採択を得て、新たに「大阪大学“はばたく次世代”研究者育成3職協働プログラム」を設計した。本プログラムでは異分野融合研究を進める優れた若手研究者に対し、経費支援に加えてURAと事務職員による伴走支援を実施している。研究遂行上の課題解決を3職で協働して図ることで、研究プロジェクトの推進とともに若手URAや事務職員を研究開発マネジメント人材として育成することを目指している。このポスターでは、本プログラムを通して見えてきた3職が協働することの重要性を示すとともに、実際の取り組み内容や今後の展開を紹介した。 

   

【関連する取組み】
“はばたく次世代”研究者育成3職協働プログラム


(8)国際的な研究力強化において大阪大学の学内施策、取り組み事例~Global Frontier Research Initiative の展開について~

   

【概要】

本学の研究力強化(国際)の観点から昨年度施策設計を提言した学内支援施策事(GFRI)を対象とし、その設計理念、実施経過・波及効果等の検証結果を報告した。また検証を踏まえて機能性を向上させた新たな施策の取り組みや工夫点、更には得た知見を他機関に共有した。また、研究の国際展開力の強化に向けて、URA・研究マネジメント人材に求められる国際ネットワーク形成、大学の環境整備の必要性や課題についても議論、意見交換を行った。


(9)JST創発的支援事業におけるプレ・ポストアワーディング支援/若手研究者の環境整備について

   

【概要】

大阪大学では若手研究者の研究推進及び本学研究力の強化のため、JST創発的研究支援事業の獲得支援と、獲得後の研究環境整備に係る支援を実施している。提案書作成から面接選考までの選考プロセス全般と、採択後のポストアワードに至る一気通貫的な支援体制を構築しており、日々支援施策のグレードアップを図っている。本発表では現状の創発支援体制を紹介するとともに、支援を通して見えてきた課題や若手研究者の外部資金の今後の展開について議論した。



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一般社団法人リサーチ・アドミニストレーション協議会(RA協議会: https://www.rman.jp/)とは、大学、高等専門学校、大学共同利用機関、公的な研究機関などが取り組んでいる研究活動の活性化に関する業務(分析、推進、管理、支援など)を対象とした職能団体です。RA協議会では、このリサーチ・アドミニストレーションの定着・展開に向けて、これらの業務に携わる人材の育成・能力向上、課題の共有と解決、そして組織・体制・制度の検討に取り組んでいます。こうした活動を通じて、我が国の大学等の研究力強化に貢献し、学術や科学技術の振興、イノベーションの創出に寄与することを目指しています。