経営企画DXシステム“ReCo”
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“ReCo”とは

“ReCo”(Research Collaborationの略)とは、本学の経営力・研究力を分析・可視化するために独自開発したツールです。学内外に点在する経営力・研究力に関する様々なデータを収集し、データベースに統合して一元管理するとともに、独自開発した分析アルゴリズムとビジネスインテリジェンス(BI)ツールを用いることで、高度な分析・可視化を実現しています。
“ReCo”を用いて発行された経営力・研究力に関する分析レポートは200本以上にのぼり、本学執行部へ定期的に提供され、データを踏まえた意思決定(Data-informed decision making)に活用されています(図1)。
“ReCo”を構成するシステム
経営企画DXシステム“ReCo”は、主に7つのサブシステムから構成されています。
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研究者検索ツール ReCo-finder
独自開発した研究者情報ポータルサイトです。研究キーワードや研究者名で検索すると、該当する研究者の所属、職位、研究分野、個人ホームページのリンク、等の情報が表示されます。共同研究者を探索するために使えるツールです。
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研究者データベース ReCo-stars
大阪大学に在籍する研究者約4500人の研究活動状況を可視化したツールです。ビジネスインテリジェンスツールTableauを用いて、研究者単位の論文データ、科研費データ、受託・共同研究費データ等を統合し可視化しました。
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OB/OGデータベース ReCo-alumni
大阪大学の元教員や卒業生など、大阪大学にゆかりのある研究者のうち、現在、世界で活躍する卓越研究者について、研究活動状況を可視化したツールです。
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Weak signal検出システム ReCo-foresight
新たな研究分野や成長分野の立ち上がりの微弱な信号(weak signal)を定量的に把握できるツールです。独自のアルゴリズムを研究開発し、実装しました。
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財務データベース ReCo-asset
財務会計システムの膨大なデータを網羅的に解析することで、疑似的に管理会計的な分析を行うことができるツールです。ビジネスインテリジェンスツールTableauを用いて、ビッグデータ分析と可視化が可能です。
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閲覧システム ReCo-viewer
部局URAなど認証されたユーザーに対し、ReCoのデータベースを利用しやすい形で閲覧可能にするシステムです。
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基幹データベース ReCo-prime
大阪大学に在籍する研究者約4500人について、各種データベースのIDを調べるとともに、名寄せ作業を行ったものです。ReCoを動作させる上での基幹情報となるデータベースです。
“ReCo”でできること
大阪大学は本ツールを活用し、世界と伍する研究大学に向け、経営力強化や研究力強化につなげるとともに、大学活動の透明化を進め、社会をはじめとするステークホルダーへの説明責任を強化します。また、社会課題解決志向のプロジェクト創成を促進し、社会課題解決を目指します。
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経営力分析
戦略的な経営マネジメントや戦略の策定等を可能にする管理会計的分析を実現するため、本学にある財務会計システムのデータを網羅的に解析し、疑似的な管理会計分析システムを構築しました。これにより、大学全体ならびに学部・研究科単位のコスト内訳の分析・可視化が可能になるとともに、研究費の間接経費など収入面の分析も可能になりました。また、大学執行部と学部・研究科執行部とのデータを踏まえた定期対話の実現にも貢献しています。
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研究者分析・研究力分析
大阪大学の研究者約4500名の研究分野や研究キーワード、研究業績等を一元化し、可視化が可能なシステムを構築しました。これにより、社会課題解決に貢献する分野横断型の研究プロジェクトを創成する際に、適した研究者を割り出すことが可能になり、総合知による研究プロジェクトを効率良く創成・提案することが可能になりました。具体的には、2023年度に採択されたJST革新的GX技術創出事業(GteX)バイオものづくり領域の申請において“ReCo”が活用されています。
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研究動向分析
インターネット上にある膨大な情報を高度に分析するアルゴリズムを開発しました。これによりグローバルな研究動向や新興研究領域の立ち上がりを示す「兆し」の把握が可能になりました。
“ReCo”の開発ストーリー
大阪大学経営企画オフィスでは、学内外に点在する構造化データや非構造化データを収集し、それらを統合し高度に分析するアルゴリズムを2020年から独自に開発し、試行により効用を確認してきました。このたび2024年8月から、この「大学の経営力・研究力を分析・可視化するツール」を経営企画DXシステム“ReCo”として、本格的な運用を開始しました。
今回開発した経営企画DXシステム“ReCo”は、大阪大学経営企画オフィスIR(Institutional Research)部門に所属する教員だけでなく、「URA×IR業務を担う事務職員」育成プログラムに採用された事務職員が参画し、教職協働により実現しました。
さらに、4年間で延べ70名以上の本学大学院生が開発に参加するなど、教育・人材育成面でも成果をあげました。2022年度には「経営企画DXシステム“ReCo”の構築」により、大阪大学賞(大学運営部門)を受賞しています。
理事のコメント
理事・副学長
(大学経営、OU構想策定担当)
“ReCo”は、経営企画オフィスのメンバーが大学執行部や部局との対話を重ね、必要とされる情報(インテリジェンス)とは何かを洗い出したうえで独自に作り上げたものである。大学構成員の肌感覚に合っており、実務に使える点が最大の強みだ。実際に、大学執行部と学部・研究科執行部との定期対話に活用されており、データを踏まえた意思決定の推進に貢献している。
理事・副学長
(研究担当)
“ReCo”は、大阪大学の研究者約4500名の研究活動を可視化しただけでなく、若手研究者間の連携や社会課題解決に貢献する分野横断型の研究プロジェクトの創成にも活用されるなど、大阪大学の研究力強化を加速するうえで、なくてはならないものになっている。今後のさらなる進化に期待している。